BLが読めなくなった話
暫く前から転職活動をしてた。
お金がもっとほしい。
それが1番の理由で、あとは3年働いたし新しいこともしてみたいしー
なんていう、軽い気持ちだった。
毎日来る転職サイトからのメールをわりとしっかりチェックして、
気になった会社には応募した。
その中の一つに、
BL漫画の出版社があった。
腐女子をやってる以上気にならないわけないので、受かる受からないというより興味本位で応募のボタンを押した。
すると1次面接の案内が来た。
出版社なんて、未経験者なんて取らないものだと思ってた。
猫の手も借りたいのか、ブラック企業なのかヤバい会社なのかと不安でいっぱいだったが、
出版社なんてなかなが行けないと思い面接に訪れた。
面接をしてくれたのはおじさんだった。
これがかなり厳しかった。
おじさんとBLトークをするのだから。
最近読んだ本、どのシーンに萌えるか、うちの本はどれくらい読んだことがあるか、、、、
おじさんの口からSEXとか、イクとかっていうワードを聞くとお腹が気持ち悪かったし、埃っぽくってお茶かコーヒーのシミのついたソファーはお尻が痒くなりそうだった。
私の大好きなあの作品は、
この場所で生まれてる!!と感動するかと思ったけれど、
ディズニーランドでミッキーの正体を見てしまったような(見たことはないが)感じがした。
魔法が解けてしまった。
面接に訪れたのはまだ暑い夏の日。
あの日からBL漫画は開いてない。
CDも聞いてないし、pixivも見てない。
ファンタジーだった世界は全然ファンタジーなんかじゃなかった。
その現実を受け止められないという、中学生みたいな事をしている。
本棚いっぱいの今までファンタジーだと思って来たこれらは、
どうすればいいだろうか。
とりあえず今は、
忍び恋うつつに夢中である。